法話

【令和】 ~こころを落ち着けて~

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◆はじめに

時代が「令和」に替わって早や2週間が過ぎました。
「平成」から「令和」へとあわただしい10連休が終わってみると、
まだ、こころは「平成」に取り残されたままのような気がします。

◆「令和」とは

「令和」とは、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味のようです。
海外にはビューティフル・ハーモニー(美しい調和)として説明しています。

◆「こころを落ち着けて」

こんなお話があります。ある空港のロビーでの出来事です。
初老の外国人男性がロビーで大きなカバンの上にどっかりと腰をおろして頭を抱えていました。
係の男の人が「どうしたのですか。お疲れならカバンをお持ちしましょう」と言うと、
その人は「いや、そうではありません」と言います。

もう一度、係の男性が「それではどうされたのですか」と尋ねました。
すると、その人はゆっくりと体を起こして、こう言いました。
「私の体は今この遠い国に着いたのですが、私の心がまだここに到着していないのです。
ですから、私は今ここで、その心の到着をじっと待っているのです」
と。

◆おわりに

時代が替わっても自分自身が急に変わるわけではありません。
あわただしい、忙しいと周りに振り回されることなく、
自分のこころが「令和」に着くまで待ちたいと思います。