由緒

高梁川を望む大平山より連なる連島山塊。 大宝山地蔵禅院は、その連島山塊の麓にあります。 倉敷の歴史道、「都羅の小径」の道上から、南側に広がる平野、 連島の町へと続く交通の要衝を見守っています。

本寺は、臨済宗、東福寺派の禅宗寺院です。 室町時代の応永年間に松雲恵閑禅師によって創建されました。 その後、歴代の住職と檀信徒をはじめ有縁無縁の皆様のお蔭によりまして、 これまで約620年の歴史を誇っています。 文化財もあり歴史的にも連島、水島、倉敷の臨済宗の布教の拠点となってきました。

山門の梁の飾り

地蔵院の山門は、棟札によると宝暦8年(西暦1758年)に当山第11世、正堂禅中禅師の代に建立されました。 当時の柱と梁、鬼瓦等は今も現役です。
今年、253年目を迎える山門の柱は、これからもお参りいただく皆さまのことを、 温かく見守ってくださいます。

梵鐘と鐘楼

梵鐘は、太平洋戦争中に供出しましたが、戦後間もない昭和23年に、新たに鋳造されました。 鐘楼は、元々、安永4年(西暦1775年)に当山第12世、瑞林元桃禅師の代に建立されました。
そして、平成23年(西暦2011年)鐘楼は皆様のお蔭で立派に再建立されました。

しあわせの庭

平成27年に、本堂前の庭を手直しいたしました。もともと昭和40年に前住職の祖謙和尚が作庭したものですが、50年ぶりのリニューアルとなりました。
とはいっても、庭木や石組はそのままに苔をひょうたん形にはって、通路を整備して庭を拡張しただけです。

それだけなのにずいぶんと印象が変わりました。お参りになられた方が、どなたも「きれいになりましたね、白川砂がすてき」とおっしゃいます。
残念ながら、日当たりのよさと夏の暑さで苔は育たず、数年前から龍のひげに代わりました。

禅寺の庭では、「枯山水」といって池や水を用いないで石や砂で自然の景色を表現しています。
また、石組によって尊い仏さまを表したり、おめでたいツルとカメ、宝島に見立てたりします。
そうして、庭の中に仏の世界、仙人の世界を造りだして、人々の幸せと長寿を願ったのです。
地蔵院の庭にも、仏さまやツル、カメに見立てた石組みがあります。探して見つけると幸せな気持ちになるかも?

そういえば、皆さんの家にも幸せの庭があります。それは「家庭」です。長寿を表すツルとカメは、お祖父ちゃんお祖母ちゃん。優しく見守ってくれる仏さまは、お父さんお母さん。
そして、宝の島は子や孫たち。
時には、家の中でゆっくりと幸せの庭をながめてみてはいかがでしょうか。そうすれば、きっと幸せな気持ちになることでしょう。

境内1
境内2
境内3
境内1
 
地蔵禅院の四季

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