法話

【お盆】 ~命のリレー~

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◆はじめに

「お盆」
一年でいちばん暑い日に 御先祖様がやって来る
亡き父がやって来る 亡き母がやって来る
我が家にやって来る 亡き人に思いをはせよ
経をあげ花を飾り 食物を供え供養をしよう
一年でいちばん暑い日に 故郷を離れた
兄弟がやって来る 縁者がやって来る
我が家にやって来る 亡き人も生きている人も いっしょに帰ってくる

◆「お盆」とは

お盆は亡き人とのつながりをもっとも強く感じる日です。
では、私たちとご先祖様とのつながりとは何でしょうか。それは、命のリレーです。
私がこの世にあるということは、まず両親がいなければ私は存在しません。
その両親にもまた二組の両親がいます。その二組のご先祖様にも両親がいます。
こうして何代かさかのぼると、私には何千何万ものご先祖様がいることになります。

ちなみに5代さかのぼると32人、10代さかのぼると1,024人、
15代さかのぼると実に32,768人ものご先祖様が私たちにはおられます。

そうはいっても実際には、ご先祖様と云われてもお祖父さんお祖母さんまでなら実感も湧きますが、
それから先は顔も見たこともなければ思い出もありません、という方がほとんどではないでしょうか。
しかし、大切なのは、そのお顔を見たこともないたくさんのご先祖様の命を私たちが受け継いでいるということです。
そしてその命のリレーが私に至るまでに一度も途絶えたことがないということです。
なんという不思議でしょう。

◆「一輪の花」

私を地面に咲く一輪の花にたとえるなら、
その土の中には縦横に張り巡らされたたくさんの根っこがあります。
花はこの表に見えないたくさんの根っこによって支えられています。
私のこの命も顔も知らないたくさんのご先祖様によって支えられているのです。
まさに、お蔭様です。

◆おわりに

お盆には、帰ってこられたご先祖様に家族みんなで手を合わせて良いご報告が出来ますように。
それが、ご先祖様の願いです。