法話

【辰年】 ~龍と雲のように~

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◆はじめに

今年は辰年です。十二支の5番目の辰には龍が当てられています。
龍は架空の生物ですが、インドでは仏を護り、中国では力を持つ者の象徴となっています。


◆「龍と雲」

禅の言葉に「龍吟雲起(りゅう ぎんずれば くも おこる)」とあります。
龍神は水の神様、雲は雨を降らせるという同じ性質を持っています。
そこで、龍のように勢いのあるものが呼びかけると、雲が湧き起こるように周りの者がそれに応えて、
さらに大きな力となって世を動かすというたとえに使われます。


◆「トイレの落書き」

ある工場での出来事です。最新の設備を整えていて海外からの視察も多かったのですが、一つ問題がありました。
それは、トイレの落書きでした。社長や工場長が注意をしても改善されずに頭を悩ませていました。
それがある日を境にぴたりと無くなりました。

トイレの清掃をしている職員の方が、
かまぼこ板に「落書きをしないでください。ここは私の神聖な職場です」と書いて張ったところ、無くなったそうです。


◆おわりに

龍だけでなく、私たち誰もが周りに影響を与えています。
仏教の教えでは、これを「縁」といいます。
今年もよいご縁に恵まれますように。
そして、家族や周囲の人々に良い影響を与えることができますように。