お地蔵さん

【地蔵院通信】平成27年お正月 第37号

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
檀信徒の皆様方には、旧年中の御法愛を厚くお礼申し上げます。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

合掌

- 不生の仏心 -

10月29日に倉敷仏教会の主催で姫路の龍門寺へ研修旅行に出かけました。ご参加いただいた方の感想文を紹介いたします。
『研修旅行に参加して(龍門寺と姫路城)』

朝九時、エヴァホール倉敷を出発。訪問する龍門寺は禅宗のお寺で、河野太通老師による江戸時代の名僧「盤珪永琢禅師」のお話を拝聴した。
「ばんけいさん」は、人は生まれた時すでに仏心が具えられている。それを不生の仏心という。 だから、不生の仏心のままで暮らしなさいとお説きになられました。

あなたも私もその仏心があるんだという気持ちで暮らしなさいと。これこそ、人もよし、我もよしの世の中になるのでは。

自分自身が信じられない人が多い昨今「不生の仏心」を伝え、元気づけてあげたいものです。
貴方の心の「不生の仏心」を信じ自信を持ちなさいと。
今まで知らなかった「ばんけいさん」とご縁が出来たことが最高の幸せでした。

お別れには、河野老師自らバスまで来られ、手を振って見送ってくださったその姿にまたまた感動しました。
宗派を越えた今回の研修旅行に参加できたことは、私にとって大きな収穫でした。
天候に恵まれ、人に恵まれ、バスに恵まれ、おいしい御馳走に恵まれ、お世話してくださった方々、本当にありがとうございました。

K.O.

合掌

- あしき友と交わるなかれ -

地蔵院住職 圭山 泰慶

新年明けましておめでとうございます。

今年は未年です。羊はとても群れたがる性質をもっいるそうです。
そこで、東福寺管長猊下の来年の御染筆には「徳は孤ならず」とあります。

善い行いをする人の周りには、善い心を持った人が集まるのです。

しかし、一方で羊は、先頭に付き従う傾向がとても多いのだそうです。
その為に、集団でパニックに陥ることもあります。

お釈迦様は、『法句経』の中で「あしき友と交わるなかれこころ清き友と交わるべし」 とお説きになっておられます。

どうか良い出会いの年になりますように。

- お地蔵さんの広場 -

「恵日会研修会に参加して」

倉敷市連島 S.M.

10月6日、総社の井山宝福寺で開催された臨済宗東福寺派15教区恵日会の会員研修会に参加させていただきました。
何もわからないままの初参加でしたが、開始時刻になって整然としたところで、 開会挨拶のあと総茶礼(全員で一斉にお茶をいただく)が行われ、続いて開山様と開山忌についてお話がありました。

その後、開山忌、開山堂拝塔、斎座(昼食)、休憩の後座禅と一連のスケジュールが詳細な説明と共に進められました。
食事は質素なものですが、食事の前に全員で食事が出来ることへの感謝の言葉と五項目の教えの言葉を唱えて「いただきます」
そして、食事後は再び心身を捧げて業にいそしみ、恩に報いることを誓って「ごちそうさま」の言葉を唱和しました。

次に食後の休息の後、座禅が始まりました。
僅か20分を2回の坐禅でしたが、姿勢を正し思考を空白にして呼吸を整える事がどれほど難しいか経験してみて良く判りました。

御住職の皆様方が如何に厳しい修行を積み重ねてこられたか想像に難くありません。
僅か半日あまりの研修でしたが、そのご苦労の一端を垣間見た思いです。

同時に我が身を振り返ってみた時、心身の鍛錬修行を心掛けながら「身」は身体運動、動作等で可能と考えますが、
「心」の鍛錬が非常に難しく、今更ながらこれまでの生活における甘え我儘が思い起こされ反省しきりです。
今回の研修を機に今後の生活を「心」の鍛錬に重点を置き、今の社会で少しでも皆様方のお役に立てさせて戴けるよう努力する覚悟です。

この度は本当に有難う御座いました。

- お言葉 -

平成27年
  徳は孤ならず

    東福寺管長 遠藤楚石老大師

   『論語』里仁第四、二十五出典 必有隣(必ず隣あり)の前半。
  徳の有る人の周りには、その徳を慕って、自然に人が集まる。

- 編集後記 -

2014年の「今年の漢字」「税」でした。
「税」が選ばれた理由として、消費税が8%となり家計への負担が増加したことや、 税金の使い方を決める国会議員や県議会議員らの「政治と金」の問題が頻繁に取り沙汰されたことが挙げられました。

「税」という字は「いね」をあらわす禾へんと「ぬきだす」という意味の兌とから成ります。
そこから、年間の収穫から抜き出して納める「税金」の意味を表します。その一方で、「税」には解き放つ、よろこぶという意味もあります。

昨年は自然災害の多い年でした。今年は、災害のない、喜びの多い年でありますように願います。

今月の掲示板

極楽へ
まだわが心
行き着かず
羊のあゆみ
しばしとどまれ
  (慈円尊者)

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