【地蔵院通信】令和5年お正月 第53号
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 檀信徒の皆様方には、旧年中の御法愛を厚くお礼申し上げます。 本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
合掌
昨年の11月に連島東小学校の生徒さんが町たんけんに来られました。 その時の質問で「どんなお仕事をしているのですか」と尋ねられました。 私は、「皆さんの幸せを願って、仏さまとご先祖さまにお経をお唱えさせていただいています」と答えました。 誰もが幸せを願います。その多くは、自分の幸せではないでしょうか。 反対に自分以外の人が自分より先に成功したり、良い成績を収めたりするとうらやましく思います。
女子マラソン五輪メダリストの有森裕子さんや高橋尚子さんを育てた、 小出義雄さんは「自分だけ勝てばいいというのでは一流にはなれないよ」と教えます。 「Qちゃん(高橋尚子さん)は素直だったし、明るかったし、何より嫉妬しない子でした。 本当は嫉妬していたのかもしれないけれど表に出さず、「有森さん、よかったですね」と喜んで、 「私も頑張ります!」と言うタイプでした。 人間、嫉妬しているうちは本当の福は回ってこない」と。 禅の教えに無心があります。無心とは心を無くすことではなく、俺が自分がといったとらわれを無くすことです。 自分中心の考えを少し置き所を変えてみてはいかがでしょうか。 他人の幸せを願う時、そこに自分の幸せもあるかもしれません。
合掌
1月 1~ 3日 大般若祈祷 1月 4~10日 年頭配札 3月18~24日 春彼岸 4月15日 花祭と春供養 7月15日 子供座禅会 8月 1~15日 盆経 8月22日 お盆供養 9月20~26日 秋彼岸 11月15日 開山忌 12月31日 除夜の鐘
「一声で笑顔に」
倉敷市 S.W
後期高齢者でもスーパーマーケットで業務出来ている身を授けてくださった亡き両親に感謝し、毎朝読経しています。 業務しながら「体調良くなった」「これはどう調理するの」レジ担当者とお客様のこんな会話をごく当然のように聞いています。 つい先日、外食店に入り注文しようとしたら、目の前にタブレット(?)が置かれており、 操作方法が分からないままにやってみるが器機に弱く次に進めず店員呼び出しを押して、店員さんに画面を操作していただきやっと注文できた。 省人化が進み、対面での言葉のやり取りが少なくなりつつありますネ。 人生100年時代とのことですが、カタカナと横文字に弱い私が100歳を迎える数年先にはどこまで変化しているのでしょうか・・? いま、私が心がけていることは、買い物をしてレジ前に立ったら店員さんに「お願いします」「ありがとう」の言葉を声かけしています。 たった一声でお互い笑顔になれるのでは・・・
面白がって 日に三回は 大笑い
良心に いつも心配 かけている
倉敷市連島 M.M
ゆっくりと 回る独楽でも 芯ぶれず
夢描き 夢追い夢の まま老いる
倉敷市連島 Y.M
水仙を 活けて素直に なりにけり
倉敷市連島 T.M
令和五年 卯年 清光 何處無 南禅僧堂 日下元精老大師
今年の干支は「卯」です。 12支の4番目で動物のうさぎが当てられています。 上の掛け軸、「画」は月とうさぎです。 インドに伝わる仏教説話では、飢えた旅人を救うためにわが身を焼いた うさぎに感動した帝釈天が、月に昇らせたとあります。 「禅語」は「清光何處無」(せいこう いずれのところにか なからん)です。 この月の明かりは、清らかな光でどんなところにも届いています。 同じように仏さまの慈悲の心は、全ての生きとし生けるものを照らします。 そして、うさぎと同じ優しい心は私達の中にもあります。
花が咲こうと 咲くまいと、 生きていることが 花なのだ
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